カーボランダム棚板(SiC棚板)とは?
SiCとは炭素とケイ素が1対1の割合で結合した人工鉱物(炭化ケイ素)で、実はダイアモンド・炭化ホウ素の次に硬度があり、アルカリや酸にも侵されにくい化学的に安定した素材です。
一般的な陶磁器焼成・セラミック製品焼成(1,500度未満)に使用されるカーボランダム棚板は、このSiCを酸化ケイ素(Si2O3)で結合させたもので、専門的には酸化物結合SiCと言います。熱伝導率も非常に高く(ムライト系耐火物の約10倍近く)、遠赤外線放射も非常に高いので、製品の加熱効率は非常に良いです。陶磁器を焼成するには、コストパフォーマンスの面から言ってもこの酸化物結合カーボランダム棚板がもっとも適しています。
世の中のカーボランダム棚板は全て同じではありません
性能の良し悪しの基準となるのは簡単に言うと原材料におけるSiC(炭化ケイ素)の含有率と棚板の比重です。
SiCの割合が低い物は棚板自体の比重も軽く、安価に生産できますが同時に性能も劣ります。
当社棚板のSiC含有率は89.8%で、カサ比重は2.8です。
これは最適な割合・比重で必要十分な性能を持ちつつ、コストパフォーマンスも非常に優れた棚板となっています。
叩いてかん高い金属音のするものが良い棚板で、逆に鈍い低い音のする棚板は品質の落ちる棚板です。
「割れにくさ」「曲がりにくさ」の秘密。
簡単に「棚板の性能」を測る場合、「割れにくさ」と「曲がりにくさ」がありますが、一般的にこの2つは相反する性質で、理論上割れにくい物は曲がりやすく、逆に曲がりにくいものは割れやすいといえます。
当社の棚板は、SiC粒度配合・成形バインダー等の原料配合ノウハウや成形・焼成と言った製造ノウハウ等によってこの相反する性質を克服しました。
そしてSiC最大の弱点である酸化による劣化に対しても非常に強い高性能カーボランダム棚板となっています。(カーボランダム棚板の曲がりや割れの原因は、SiC自体が酸化され劣化する事が主な原因なのです)
また、スリット加工(切り込み)を施すことにより、「冷め割れ」への耐性が更に高くなっています。