重量物焼成に使用されるSiC製I型支柱

酸化物(シリカ)結合SiCの支柱です。20170519_SiCsupport04247

写真の物は高さ350mmで上下頭部分は80x80mmです。

一般的にはムライト質の白色の支柱が多く使われますが、碍子(がいし)等の重量物を焼成される場合はSiC製支柱も使われます。前々回のブログ記事にあるように、ムライト製支柱の圧縮強度は約680kgf/㎠ですがこのSiC製支柱の圧縮強度は約1,500kgf/㎠です。又、ムライト支柱は熱間荷重により縮んで行きますが、SiC支柱にはそれがありません。

但し、SiC支柱とSiC棚板は焼成後引っ付く可能性がありますので、基本的には組みっぱなし(焼成毎に棚組をくずさない)の台車に組まれる場合が多いです。

尚、当社でもこの手のSiC支柱は在庫しておりませんので、基本的には全て受注生産となります(受注生産の場合は最低ご注文数量の設定がございますので別途お問い合わせ下さい)。

再結晶SiC(Re-SiC)大型肉厚ボード

下の写真は再結晶SiC(Re-SiC)製の大型肉厚ボード(中実材)で、サイズは幅130mm 厚み30mm 長さ2300mmです。Recrystalized SiC board 130x30x2300mm

再結晶SiCの特徴はSiC99%で最高使用温度が1600℃と高い事です。アルミナ系でここまでの大型サイズの物を作るのはかなり難しく、またSiC系はアルミナ系と違い曲げ強度は最高使用温度まで低下しないという特徴があり(アルミナ系は温度が上がっていくと強度は下がって行きます)、高温での耐熱間荷重を要求される吊るし焼き等に使用されます。

耐火物の圧縮強度について

圧縮強度とは、上から荷重をかけたとき単位面積当たりどのくらいの荷重まで破壊されずに耐えられるかを示す強度です。press strength

例えば上の写真の様なムライト製支柱の圧縮強度は約680kgf/㎠(室温)という数値になりますが、これはある試験片を上下面研磨し、専用機器にて測定した結果の一つであり、実際の現場での支柱がその数値まで耐えられるかという話になるとまた微妙に違ってきます。

例えば実際の支柱の接地面や支柱が接する相手の接触面が平滑でなく凸部がある場合は荷重がそこに集中し早く破壊されますし、支柱の高さが高い場合は中央部から亀裂が発生する確率が上がりそこから早く破壊が起きたりしますので、各種耐火物のデータ表などに出ている圧縮強度の数値は保証値ではなくあくまでも目安です。実際の耐火物の強度を知りたい場合は実際にその物を専用機器にかけ測定するのが一番正確です。この件の関連記事はこちらです。

ムライト支柱の鉄分の由来

セラミックス焼成時に一般的に使用される支柱はアルミナ約70%前後のムライト支柱です。この支柱にはいくらかの鉄分が入ってきますが、その由来には2パターンあります。

一つはプレスの金属金型由来で、特にI型支柱等の比較的肉厚の支柱は成型時のプレスを打つ回数が多くどうしても金型と擦れ合い鉄粉が支柱表面にうつりやすいです。もう一つは原料由来で、ムライト支柱の主原料は天然鉱物であるアンダルサイトであり大なり小なり原料の中に鉄分が入っており、その割合にもぶれがあります。

Mullite iron spots

尚、再生リサイクル原料を使うとこの様な原料由来の鉄粉が出る割合が低かったりしますが、支柱その物の性能から言うと天然鉱物のバージン原料からの方が良い物ができます。

因みに、支柱は通常直接製品に接する事は無いですので、焼成時に支柱に含まれる鉄粉が製品に悪影響を及ぼすという事はありません。

 

反応焼結SiC(Si-SiC)の焼成直後

下の写真は焼成直後の反応焼結SiCのローラーチューブです。Si SiC Roller tube just after fired見た目は金属のようにキラキラしていますが、これは含浸しきれなかった金属シリコンが表面に付着しているためです。この後サンドブラストで表面の余分な金属シリコンを削り取り、つや消しグレーのいつものSi-SiC耐火物の表面状態になります。

焼成後の瓦

焼成されて炉から出てきたばかりの瓦です。近づくとかなりの熱を感じます。Fired roof tile 1約100mの長さのトンネル炉を10時間以上かけて台車が通り瓦は焼成されます。一つの台車はちょっとした小部屋くらいもの大きさがあります。

焼成前の瓦

屋根の瓦も焼き物・セラミックスです。水分約20%くらいの原料粘土を巨大な土練機でトコロテンの様に押し出して長い形状に成型し、それを切断してプレスすると瓦の形になります。下の写真はプレス成型直後の瓦です。

Raw roof tile ARaw roof tile B

手である程度の力を加えると変形します。この後、乾燥・焼成の工程になります。

SiCセッターの高温焼成によるラミネーション

下の写真は1,560℃焼成で使用されたSiCセッターで、セッターの一部が膨れ上がった為、膨れた箇所を切断した写真です。

SiCセッター高温ラミネーション

数百枚使用されたSiCセッターのうち1枚にこの様なラミネーションが発生しました。原因はSiCセッター製造工程で内部に閉じ込められた空気です。このセッターの厚みは15mmで比較的厚めの板となり、厚いが故にプレス成型時に内部に空気が閉じ込められやすく、それでも一般的な1,200~1,350℃くらいの焼成温度では影響ないのですが、1,560℃等の高温焼成ですと、この様に閉じ込められた空気が急激に膨張し、セッター自体も膨れ上がるというケースが稀にあります。

因みにカタログ上、最高使用温度1,500℃となっておりますSiC(品番:FR-90)セッター/棚板ですが、実際は焼成条件等にもよりますが、1,500℃以上でも問題なく使えたりします。