SiC耐火物の酸化焼成による粉状SiO2(シリカ)の生成

前回の記事で、SiC(炭化ケイ素)棚板が酸化焼成されると表面にSiO2(シリカ)が生成されテカテカする場合があると書きましたが、さらに酸化劣化すると下の写真の様にSiO2(シリカ)が白っぽく粉状になったりします。2015Mayblog1

こうなるとSiC棚板の下にある製品の上にSiO2(シリカ)の粉が落ち、製品不良を起こしたりします。2015Mayblog2

表面がテカテカした状態まででしたらシリカの粉が下に落ちる事はないのですが、表面が白っぽく・粉っぽくなったSiC耐火物はシリカの粉が下に落ちますし、そのような状態ですとSiCはかなり酸化劣化しており、SiC耐火物の強度自体も落ちている可能性が高いので、使用されない方が良いかもしれません。

SiC(炭化ケイ素)棚板の使用条件/焼成雰囲気とその影響

SiC(炭化ケイ素)棚板の使用条件で一番影響を受けるのは、焼成温度と言うよりもどちらかと言えば焼成雰囲気の影響を強く受けます。

下の写真は約1,200℃の強い酸化焼成雰囲気で使用されたSiC棚板ですが、裏面にSiO2(シリカ)が生成されテカテカ光っているのが判るかとかと思います。
2015年4月BlogSiC棚板てかり

こういった焼成条件で使われると、SiC棚板自体にも曲がりが発生しやすかったりします。
2015年4月BlogSiC棚板曲がり

逆に1,300℃の還元雰囲気焼成の場合はここまで裏面にシリカが生成される事はなく、比較して曲がりも起きにくかったりします。

SiCは1,100℃後半~1,200℃弱の温度で酸化の影響を一番受けやすいといわれ、1,300℃以上の高温焼成よりも、低温の酸化焼成の方がSiC棚板にとっては過酷な条件となります。

セラミックスの曲げ強度試験

下の写真はアルミナ・ムライト質セラミックスの3点曲げ強度試験の様子です。
曲げ強度試験1

写真の様に試験サンプルの下2点を支持し、その支点間の中心1点に荷重を徐々に加えてゆき、試験サンプルが破壊した時の負荷が曲げ強さの数値となります。ちなみに各支点にはせん断作用による破壊を防ぐ為に緩衝材をはさみます。

曲げ強度試験2

ある程度の強度を予想し、それに基づいてかけてゆく負荷スピードを調整します。

ちなみにアルミナ・ムライト質のセラミックスはアルミナ%が多いほど(常温での)機械的強度が強いというわけではなく、ある程度の結合剤(SiO2等)があった方が常温での強度はあるようですし、素材の粒径や焼結度合(緻密さ)等にもよって強度は大きく変わってきます。

コーディライトとフリーカーボンの反応

コーディライト製品を新品の再結晶SiC棚板で焼成したところ、SiC棚板表面にピンクや緑の色が出ました。2015年2月blog再結晶SiC Plate22015年2月blog再結晶SiC Plate1

これはコーディライト中の酸化マグネシウム(MgO)・アルミナ(Al2O3)からスピネル(MgAl2O4)が生成され、新品の再結晶SiC棚板中のフリーカーボン(C)がスピネル中に固溶する(スピネル中の酸素OがカーボンCに入れ替わる)事でピンクっぽい色になった様です。

またフリーカーボンのスピネルへの固溶の度合いにより緑色等いろいろな色にもなりうる様です。

新品再結晶SiC棚板は初回空焼き(製品を載せずに焼成)するか、何回か焼成で使用し棚板上にフリーカーボンがなくなってからコーディライト製品を焼成すればこの様な色は出ないでしょう。

バーナーヘッド

ベンチュリーバーナー用バーナーヘッドの紹介です。

2014 12 blog burner head1

写真のサイズは左から

2インチ       外径約81.2mm, 高さ約89.2mm, ねじ穴径約57.3mm

1-1/2インチ 外径約68.1mm, 高さ約68.6mm, ねじ穴径約46.9mm

1-1/4インチ 外径約60.2mm, 高さ約62.1mm, ねじ穴径約40.2mm

1インチ       外径約52.0mm, 高さ約50.9mm, ねじ穴径約31.3mm

6分           外径約40.0mm, 高さ約40.1mm, ねじ穴径約24.5mm

*サイズ呼称はバーナーヘッド先端穴の(大きい方の)径サイズで、内側中心のガス穴の(小さい方の)径サイズではありません

2014 12 blog burner head2

ベンチュリーバーナーは比較的単純な構造でメンテナンスもしやすい為、よくガス窯に使用されております。バーナーヘッドはヒートショックに対して強くする為、ポーラス質(気孔率のある)ムライトで作られております。*緻密質の気孔率の無い材質ですと、ヒートショックに対して割れやすくなります。

バーナーヘッドが破損した場合でもご自身で簡単に交換可能ですので、サイズご確認の上お問い合わせください。

SiC保護管

SiC保護管の紹介です。

2014 11 blog1

写真の物は反応焼結SiC(Si-SiC)製の保護管です。

2014 11 blog2

サイズは外径30mm( 内径18mm)x 長さ約900mm で片側封じの形状です。

反応焼結SiCはほぼ緻密体ですので、SiC耐火物の中でも強度が強く、熱伝導率も良く、ガスの侵入も防げますので、中にアルミナ保護管を入れて使用する二重管タイプの熱電対の外筒管等に使用されます。

但し、1350℃以上の使用環境ですと含浸させたSi(金属シリコン)が溶け出てしまいますので1350℃未満での使用に限定されます。

SiCの劣化と強度

下の写真は他社製のSiCキャップです。

他社SiCキャップ劣化1

SiCキャップはストラクチャーパイプの上にはめ込み、上からの荷重を支える窯道具ですが、その荷重の影響か(強いはずである)SiCキャップにひびが入ってしまっています。

他社SiCキャップ劣化2

上の濃いグレー色の物が弊社SiC横渡しビームで、その下が他社のSiCキャップです。

キャップは全体的に白っぽく薄いグレー色になっている事から、SiCが酸化され劣化していることが見て取れます。新品時の元々の強度の違いもあるかもしれませんが、SiCが酸化され劣化する事により機械的強度も確実に落ちますので、やはり耐酸化性能はSiC耐火物にとって最も重要な性能の一つです。

SiCコンバスター

ハイスピードガスバーナー用のSiCコンバスターの紹介です。

2014 9 blog1

写真の物は再結晶SiC (Re-SiC)製です:全長208mm。

2014 9 blog2

再結晶SiC (Re-SiC)は最高使用温度が1,600℃と高温条件下でも使用可能です。

反応焼結SiC (Si-SiC)製コンバスターは緻密質で酸化消耗も非常に少なく良いのですが、使用温度が1,350℃を超えると含浸させた金属シリコンが溶け出してきてしまいますので、その場合はこの再結晶SiC製コンバスターが必要になります。

バーナー部は熱電対で測定している炉内の雰囲気温度よりも高温になりますので材質選定には注意が必要です。

精密鋳造用ジルコニアるつぼ

ニッケル基超合金精密鋳造専用のジルコニアるつぼの紹介です。

ジルコニアるつぼφ150x250H a

航空機エンジン・ガスタービン用ニッケル基超合金の精密鋳造にはこの金属との反応性の点から、マグネシア安定化(MgOスタビライザーの)ジルコニアるつぼの使用が不可欠です。

これら精密鋳造でネックになるのが、るつぼに付着した前ショットの残留金属や、るつぼ母材自体のコンタミ(異物混入)であり、溶融金属のるつぼへの浸透や溶融金属によるるつぼのエロージョン(腐食)が原因です。

当社販売のジルコニアるつぼは(プレス成形品と違い)鋳込み成形品であるが故に、るつぼ表面が非常に滑らかできめ細かく、溶融金属との濡れ性が悪いおかげで溶融金属のるつぼへの付着や、るつぼのエロージョン(腐食)が起こり難く、即ち最も嫌われるコンタミの発生を抑えられます。

ジルコニアるつぼφ150x250H b

ジルコニアるつぼφ150x250H c

あるケースでは海外製某Z社のプレス成形品ジルコニアるつぼよりも約2倍ショット数が伸びたという例もございます。

水分によるアルミナコーティングの剥がれ

SiC棚板に通常施されているアルミナコーティングは、新品時は有機バインダーで板に軽く引っ付いているだけで、約1,100℃以上に焼成されて初めて板にしっかり焼付くような配合になっております。

ですので1回目の焼成では特にそうですが、焼成時に水分が焼成物と棚板との間にこもってしまうような状態ですと、アルミナコーティングが棚板に焼付く前に水蒸気によってコーティングがふやけて浮き、剥がれてしまう場合があります。

アルミナコーティング水分めくれ2

このSiC棚板は、食器の焼成で食器底部分のハマ(高台)の内側に乾燥しきっていない釉薬の水分が閉じ込められ水蒸気となりコーティングが浮いて剥がれてしまった例です。

アルミナコーティング水分めくれ1

焼成時には製品が十分乾燥しきっているのを確認しないと、このようにコーティングに悪影響を及ぼす場合があり、特にSiC棚板1回目の焼成時には顕著に影響が現れますが、2回目以降の焼成でも、こもった水分によりアルミナコーティングが剥がれる場合はありますので注意が必要です。