ムライト板のくり抜き加工

ムライト質の板をウォータージェット加工してくり抜いたものです。ウォータージェット加工品1

ウォータージェット加工は費用は高いですが、焼成後の板を加工しますので、曲線でも切断面がきれいかつ正確に加工できます。ウォータージェット加工品アップ

ムライト板の場合は、焼成前の生の状態で穴開けポンスを使ってくり抜き加工したり、切取り加工したりもできますが、加工面はもっとぼそぼそで粗くなります(費用はこの生加工の方が安いです)。

尚、SiC板の場合は原料に粒度の粗い物も入っている為生の状態での加工はできず、焼成後は非常に硬いのでこのムライト板の様な大きな穴開け加工はできません。

SiC耐火物焼成炉

SiC棚板やセッター、ビーム、パイプ、レンガ等のSiC耐火物も焼成して製造する言わばセラミックスです。焼成炉はバッチ式のシャトル炉です。

SiC耐火物焼成炉

耐火物を焼成しますので、高温且つ長く焼成します。

SiC棚板の鉄分と色

前々回のブログ「SiC原料と鉄分」の通り、グレードの落ちるSiC原料の場合は鉄分が多く含まれたりします。鉄分は耐火物の新品時には赤茶色に見えなくても、一度焼成で使用すると赤茶色に出てきたりします。

下の写真は2~3回焼成に使用した後の他社製のSiC棚板(SiCプレート)です。他社SiC棚板鉄粉1

側面に赤茶色の酸化鉄が出てきております。

この種の酸化物結合SiC耐火物においては、ある程度鉄分が含まれるのは普通で性能には影響ないのですが、鉄分があまりに多いと、下の写真の様にコーティング面を突き破って表面に赤茶色の鉄分が析出してしまい、それが上にのせたセラミックス製品に色移りしたり、SiC棚板底面から鉄分が析出して落下した場合は、下の段の製品に色移りしたりと不具合が発生します。

他社SiC棚板鉄粉2

尚、ユーザーの炉で使用後に初めて赤茶色に出る理由は、酸化鉄でもFeO, Fe3O4の状態では色は黒色で、焼成雰囲気によって酸化鉄の組成がFe2O3になると色が茶色になる事に由来します。

穴付きSiCプレート

サイズ400 x 150 x 20mm 穴付きの酸化物結合SiCプレートです。

穴付きSiCプレート

SiCの穴あけ加工はダイヤモンドドリルを使用する為に非常に高価となり、現実的ではありません。当社販売の酸化物結合SiCプレートは全てプレス成形品で、金型からこの形状を成型します。

尚、金型作製からとなりますので、製作時にはある程度まとまった数でのご注文が必要となります。

SiC原料と鉄分

下の写真はテスト的に取り寄せた今とは別のSiC原料サンプルを棚板の上に載せ、炉の中で焼成し取り出した物です。

08年他社SiC原料テストその3

SiC原料中の鉄分によって棚板が茶色く変色しているのが判るかと思います。

SiC原料は精製された後に粉砕・整粒されるのですが、その工程がしっかりとした設備と管理の元行われないと、鉄分が多く含まれた粗悪な原料となってしまいます。

このような原料を使用すると出来上がったSiC耐火物にもそのまま多量の鉄分が含まれる事となり、その耐火物でセラミック製品を焼成すると製品に茶色く色移りするなどの問題となります。

尚、我々使用のSiC原料ではこのような茶色にはならず、また更に耐火物製造工程の最初で脱鉄の工程もあり鉄分が多く含まれない様になっております。

SiC耐火物の品質・性能が決まるのには、耐火物製造の各工程で重要ポイントはありますが、出発点であるSiC原料の品質は一番重要であると言っても過言ではありません。

Si-SiC(反応焼結SiC)ビームの劣化と破損

十数年間使用されたSi-SiCビームの1本が折れました。

2016 8 SiSiC Beam1

外側もそうですが、内側表面にも白くSiO2(シリカ)が生成されています。

2016 8 SiSiC Beam2

使用されて行くうちに少しずつですが含浸されていたSiが析出して酸化されSiO2になったり、SiC自体も酸化されSiO2になったりします。

そうなると強度も本来の物よりも少しずつ弱くなり、あるところまで行くと折れたりします。

寿命は、焼成条件(最高温度・雰囲気・ヒートカーブ)やかかる荷重によって異なりますが、Si-SiC(反応焼結SiC)の場合は約2,500~3,000サイクルと言われております。ちなみにこのビームの場合は約4,000サイクル弱使用されました。

SiCストラクチャーパイプ

同じくシリカ結合(酸化物結合)SiCのパイプ形状製品、ストラクチャーパイプ(パイプ支柱)です。

SiC ストラクチャーパイプ

パイプ形状ですが、鋳込み成型ではなくプレスの縦打ち成型ですので、低気孔率で荒目の原料も使いますので丈夫で長持ちします。

SiCストラクチャーパイプ キャップ ビーム

通常、ストラクチャーパイプの上には、はまり込むキャップを載せ、その上に横渡しのビームを載せ台車棚組み等の土台とします。比較的昔からある支持方法で、Si-SiCビームを使った方法よりも比較的安価にできます。

プレス成型大型SiCスリーブ

シリカ結合(酸化物結合)SiCスリーブです。

SiC big sleeve2

サイズは外径φ310(内径250)x  長さ1300mm  フランジ部外径φ350 厚さ20mm で、縦打ちのプレス成型品です。重さは約100kg弱あります。

SiC big sleeve12

プレス成型品であるシリカ結合(酸化物結合)SiCは、鋳込み成形品である再結晶SiCや反応焼結SiC(Si-SiC)の様な薄手の物はできませんが、逆にt30mm等の厚手の物は製作でき、価格帯も他のSiC耐火物と比較すると安価です。最高使用温度はSiC棚板等と同じく1,500℃です。

SiCプレートのクラック

下の写真は他社のSiCプレートですが、珍しく板の真ん中にクラックが入っています。

2016 5 某N社SiCプレート 真ん中クラック

通常、板のクラックは板の端と中心部の温度差から来る膨張・収縮の差の歪によって発生しますので、必ずスリットの中心方向エンドからか、板の端からクラックが入ります。

写真の物の様な真ん中でのクラックの入り方はほぼ見た事は無く、原因ははっきりしませんが、プレス成型時の金型へのSiC原料充填の不均一で密度に大きなばらつきが出たのか、SiC原料由来の物なのか、成型のプレス機の問題なのか断定は難しいですが、このような状態になるSiCプレートは性能的に問題が出る可能性はあります。

SiC支柱

シリカ結合(酸化物結合)SiC支柱の紹介です。

2016 April blog SiC support

中実材のSiC耐火物で、プレス成型品です。写真の支柱は高さ900mmで、SiC棚板等を出っ張りに引っ掛けて使用します。

SiC原料は他の耐火物原料よりも流動性が低い為、大型で肉厚なSiC耐火物を均一な密度でプレス成型するのは簡単ではなく、ノウハウが必要とされます。

また更に、当社販売のSiC支柱は棚板と同じハイグレードなSiC原料配合で製造しておりますので、高性能で酸化膨張しにくく耐久性があります。