支柱はなぜSiC製ではないのか?

「棚板組み用の支柱はなぜSiCではないの?」と、あるメーカー様から質問を頂きました。今回はそんな素朴な質問にお答えします。

棚板がSiCで支柱もSiCにしてしまうと窯の中でくっついてしまいます。SiCとSiCは1,200-1,300度くらいの焼成時には接しているとお互いにくっついてしまうのです。こうなると棚組みを崩す時には棚板と支柱を壊さないといけなくなってしまいます。
また、以前のSiCは特にそうですが、SiCは使っていくうちに徐々に膨張してゆきますので、支柱をSiCにしてしまうと、支柱の高さも徐々に高くなってしまい炉壁上部にぶつかる事になります。

その点、現在の一般的な白いアルミナ系材質の支柱はこのような事はありません(アルミナ系の場合は逆に荷重に対して縮んでゆきますが)。
また、単価的にもSiCの方がいくらか高くなります。ただ、強度的にはSiC製の方が強く、耐火度もSiCの方が若干高く、製品重量のある碍子の焼成等にはSiC製支柱が使われていたりします。尚、同じアルミナ系支柱でもアルミナの%が90%近くまで上がると耐火度はあがりSiCよりも高温に耐えられる特別な支柱もあります。

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アルミナ系支柱            SiC製支柱

ということで、現在一番一般的に使われている支柱はアルミナ系となっております。