中国北西部蘭州市郊外にある炭化ケイ素(SiC)製錬工場のレポート第2回です。今回はSiCの元原料を見てゆきます。
炭化ケイ素(SiC)は人工的に作られる合成鉱物で化学式はSiO2 + 3C →SiC + 2CO です。
SiO2とは二酸化ケイ素・シリカで、実際に使われる原料は下の写真の石英砂です。この工場では原料置き場の地面はコンクリートかタイル地で、しっかり石英砂にネットも掛けコンタミ防止に努めています。この石英砂は主に地元甘粛省や隣の青海省産出の安定した高品質品です。
もう一つの元原料Cとは炭素・カーボンで、実際に使われる原料は下の写真の石油コークスです。石英砂と同じくしっかり管理されています。この石油コークスは主に隣の青海省、そしてまたその隣のチベット自治区からも入れているとの事です。良いSiC原料を作るにはやはり良い元原料が必要不可欠です。
この2つの原料を石英砂1.7 対石油コークス1.3の割合で混ぜ合わせます。左からコークス、右から石英砂を真ん中の混合攪拌機に投入します。混合された原料はホッパーに落とされます。因みに混合原料3トンに対し製錬して出来上がるSiCは約1tとの事です。
次回はいよいよ電気抵抗炉での製錬について見てゆきます。