SiC棚板破断面の光沢具合と割れたタイミング

前回の記事でご説明した通り、ヒートショックでSiC棚板が割れやすい温度帯は約300~900℃くらいです。また、炉内温度が約700~1000℃弱は一番酸化されやすい温度帯です。これらの要素を元にSiC棚板破断面の光沢具合によってヒートカーブ中のどのタイミングで棚板が割れたかをある程度推測する事は可能です。

下の写真は降温時に割れたと思われるSiC棚板です。

破断面は酸化されておらずキラキラしたSiC粒の光沢が残っています(破断面が酸化されると艶消しになります)。即ちヒートカーブにおいて、割れた後に酸化されやすい700~1000℃弱を通過していない為です。

一方下の写真は昇温時に割れた可能性の高いSiC棚板です。破断面が酸化されSiC粒の光沢がほぼ無くなり艶消しになっています。即ちヒートカーブにおいて、割れた後に酸化されやすい700~1000℃弱を通過した為です。

但し、厳密に言うと、降温時の800℃付近で割れると破断面はそれなりに艶消しになり(若干艶消し具合は弱めですが)、また、降温時にクラックが入っても再度炉に投入され酸化されやすい700~1000℃弱を一度通過すると破断面は艶消しになります。

若干判断が難しいケースもありますが、SiC棚板破断面の光沢具合でおおよその割れたタイミングは推測できます。