引き続き1300℃還元本焼成の炉に入れた後の新品SiC棚板の破断面の写真です。(1300℃還元焼成:A製陶所)(1300℃還元焼成:B製陶所)
写真の通り、SiC粒径の細かい箇所は酸化焼成時と似たようなつや消し状態になりましたが、大きめの粒径部分はつや消しにはならずに紫色や緑色のような虹色っぽい色が出ており、このキラキラの色合いは新品棚板を割った破断面でも出ていなかったものです。
この様に還元焼成の場合の破断面は酸化焼成の場合と違い、SiCの大きな粒に光沢をもった色が付きます。
この原理ははっきり判らないのですが、焼成過程で大きめのSiC粒表面が一度酸化されSiO2皮膜ができ、その後還元帯に入った時点でSiO2皮膜がいくらか奪われ薄膜ができ「薄膜干渉」によって光の屈折の強調が起き色が付いた可能性もあります。
尚、同じ還元焼成でも還元度合いや時間が異なることによりこの薄膜のでき方(厚み)が変わり、よって”A製陶所”と”B製陶所”の様に色も異なってくるのではと考えられます。